【9月22日 AFP】ロシアがシリア西部ラタキア(Latakia)の空軍基地に計28機の戦闘機と爆撃機を配備していると、匿名の米当局筋が21日、AFPに語った。既にシリア国内で無人機の運用を開始しているという。

 匿名を条件にAFPの取材に応じたある米当局者は、ラタキアの基地には「戦闘機と爆撃機、計28機が配備されている」と述べた。別の当局者もこの数字を確認し、さらに戦闘ヘリコプターと輸送ヘリコプター計20機が配備されているほか、シリア上空でロシアが無人機を運用していると明かした。

 この当局者らによると、ロシアが新たに配備したのはスホイ24(SU-24)戦闘爆撃機12機、スホイ25(SU-25)攻撃機12機、スホイ27(SU-27)戦闘機4機。

■在シリア露大使館に砲撃

 こうした中、ロシアは21日、シリアの首都ダマスカス(Damascus)にあるロシア大使館が前日、砲撃を受けたと発表し、「具体的な行動」を要求した。

 ロシア政府は、大使館の敷地内に20日、迫撃砲弾が着弾したと発表。被害はなかったとしつつ、この攻撃の責任はバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に対抗する勢力と「外部の支援者ら」にあると非難した。

 ロシア外務省は声明で、「このテロ行為に対する明確な立場を国際社会を構成する全員が表明するのを待つ」「必要なのは、口先だけではない具体的な行動だ」と述べている。

 ダマスカスのロシア大使館は過去にも砲撃を受けており、今年5月には大使館近くへの着弾で1人が死亡。4月にも、敷地内に迫撃砲弾が着弾し、3人が負傷している。

 米国は、アサド大統領を支持するロシアがシリア政府軍との共同作戦に向けて戦闘準備を進めているとの懸念を強めているが、ロシア側は一連の対シリア支援は既存の防衛契約に基づくものだと主張している。(c)AFP