【9月4日 Relaxnews】ほとんど知られていない中東の地域が、近い将来、世界有数の観光地になるとしたらどうだろう――? 旅行会社を経営する米国の学者、ダグラス・レイトン(Douglas Layton)博士はこのほど、トルコ・イラク・イランの3か国にまたがるクルド人地域(クルディスタン、Kurdistan)に関する旅行ガイド本「クルディスタン・ツアーガイド(Kurdistan Tour Guide)2015-2016」を出版した。

 制作の目的は、クルド人地域に対する人々の認識を変え、中東の地政学から影響を受けるべきではない土地だと示すことだ。それどころか、同地域には好奇心旺盛な旅行者の興味を引くさまざまな史跡が数多く存在しているという。

 レイトン博士の経営する旅行会社「クルディスタン・イラク・ツアーズ(Kurdistan Iraq Tours)」によると、クルディスタンは中東で最も安全な地域の一つだ。ニュースで混迷を深めるイラクなどと同列に扱われるべきではない。地理的な位置ゆえに悪化する中東情勢の中で常に注目を集めてしまうが、クルディスタンには観光が盛んになる兆しが見えている。

 そこでレイトン博士は、クルディスタンの素晴らしさを知ってもらおうと旅行ガイド本の出版を決めた。400ページのガイド本には、川の景観から雪の山頂までクルディスタンの魅力が満載。多数の写真を掲載し、見るべき歴史的遺産として200か所以上の史跡を紹介している。また、クルド人の音楽や芸術文化も網羅し、近年活況を呈している映画産業にも触れている。

 クルド料理に関する情報も提供し、旅行者がレストランで注文できる郷土料理について詳しく説明している。米国で9月16日発売だが、インターネット小売り大手アマゾン(Amazon)では既に注文可能になっている。(c)Relaxnews/AFPBB News