【7月26日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が25日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談し、W杯ロシア大会(2018 World Cup)開催へ「全面的にサポートする」ことを約束した。

 ブラッター会長とプーチン大統領は、この日行われた各地区予選の組み合わせ抽選前に会談し、プーチン大統領は、大会を「盛大なものにする」と返答した。

 米国では、ロシアがウクライナ内戦に関与したとして、一部の上院議員がロシア大会をボイコットするよう呼びかけている。

 しかしブラッター会長は、自身の組織が一大汚職スキャンダルの渦中にあることを棚に上げ、そうした意見を断固としてはねつけ、政治家のスポーツへの介入をけん制した。

 組み合わせ抽選の会場となったサンクトペテルブルク(St. Petersburg)のコンスタンチン宮殿(Konstantin palace)で、ブラッター会長は、2018年大会開催に向けて、「FIFAは引き続きロシアを後押しする」と主張し、「全面的にサポートする」とプーチン大統領に伝えた。

「われわれはロシアに『イエス』と言う。サッカーは平和に大きく貢献できる。現在の地政学的情勢では、とりわけ重要なことだ」

 ブラッター会長は、抽選会の式典でも同様のメッセージを送り、集まった2000人に対して、FIFAは「常にロシアの味方」だと強調した。ブラッター会長はまた、先日のFIFA理事会で、ロシアへの「信頼と自信」を再確認したと話している。

 一方、プーチン大統領は、「選手とサポーターが落ち着いてロシアに滞在できる環境を作り、テレビ観戦するファンが、世界規模の盛大なスポーツの祭典に参加している感覚を味わえるような仕組みを用意できるよう全力を尽くす」と語った。

 プーチン大統領は、FIFAを混乱に陥れ、ロシア大会の招致もその一因とされている汚職スキャンダルにも言及し、ブラッター会長に「サッカー界の現状はわかっている。会長が残りの任期に集中し、何よりもスポーツに力を注いでくれるのはありがたい」と伝えた。

 式典でプーチン大統領は、ロシアにはサッカーの「長い歴史」があり、W杯開催は「多様でオープンなロシアを世界に披露し、驚きと刺激を与える」機会になると話した。

 ロシアは2010年に行われた開催地決定投票で、2022年大会の開催権を獲得したカタールとともに、W杯の開催地に決まった。ところがその招致過程は現在、スイス当局による捜査の焦点となっている。

 またそれと並行して、米国では5月のFIFA総会直前にスイスのチューリヒ(Zurich)で逮捕された7人のFIFA幹部に対する本格的な捜査も始まっている。

 ロシアは当時、事件はブラッター会長の再選を阻むためのものだと話していた。それでも会長は5選を果たしたが、その直後に職を退く意向を表明。新たな会長選が、2016年2月26日に開催されることが決まっている。(c)AFP