【7月20日 AFP】米国とキューバの国交が回復したことにより、米大リーグ(MLB)は来年にもキューバでプレシーズンの試合を行い、同国の選手獲得に向けてより安全な道筋を築きたい考えだ。

 地元紙セントルイス・ポスト・ディスパッチ(St Louis Post-Dispatch)によれば、MLBのロブ・マンフレッド(Rob Manfred)コミッショナーは、来年4月のシーズン開幕前にキューバでエキシビションゲームを行うことは、「政府との話し合いを基に推測される最も有力な計画」だと発言している。

 1960年代から続いていたキューバとの国交断絶が終了し、米国は70年代に中国との間で奏功したピンポン外交のように、野球を外交に利用したいと考えているかもしれない。

 1959年にシンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)とロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)がキューバで対戦してから、同国で米国の2球団が顔を合わせたことはないものの、1999年にはボルティモア・オリオールズ(Baltimore Orioles)がキューバ代表と対戦している。

 キューバの野球関係者は、カナダで行われるパンアメリカン競技大会(Pan American Games)の準備のため今月初めに訪米した際、MLBの公式ウェブサイトに対して、障壁がなくなったことをうれしく思うと話していた。

 米国による対キューバ制裁が始まってから、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)のヤシエル・プイグ(Yasiel Puig)や、レッズのアロルディス・チャップマン(Aroldis Chapman)など、95人のキューバ人選手が、ときに危険を冒しながらMLBへの道を手にしてきた。

 亡命したキューバ人選手は、フリーエージェント(FA)になってMLB球団との契約の機会をうかがってきた。