■ポスティング制度参考に

 国交の回復により、キューバ人選手のMLBへの道のりは、より安全なものになると予想され、日本プロ野球(NPB)とMLBによるポスティングシステム(入札制度)が、キューバの国内リーグの威厳を保つ上でも参考になるだろう。

 日本で選手がFA権を取得するためには、NPBで一定年数プレーする必要があり、条件に満たない選手がポスティングによるMLB移籍を希望し、日本の球団側がこれを認めた場合にのみ、MLB球団が選手の所属球団から移籍の交渉権を入札で獲得することができる。

 この制度のおかげで、日本のリーグは一定のレベルを維持し、有力選手を守りながら、MLBに挑戦したい選手には機会が与えられることになる。

 キューバは、すでに選手を日本やメキシコ、カナダに派遣し、国外でのプロ活動を認めてきたが、亡命の流れを完全に食い止めることはできていなかった。

 ここ数シーズンでも、キューバから多くの若手選手が亡命しており、かつては最強の名をほしいままにしていた同国のアマチュア選手の力は低下している。

 キューバ野球連盟(FCB)のイヒニオ・ベレス(Higinio Velez)会長は、「もちろん(亡命は)われわれのリーグにダメージを与えたが、キューバには良い選手がたくさんいるから、これからも才能を発掘していかなければならない」としている。

「セリエ・ナシオナル(キューバの国内リーグ)はなくならない。われわれは一生懸命取り組むだけだ。キューバの野球界には、まだ明るい未来がある」

(c)AFP/Jim SLATER