【7月9日 AFP】サッカー元ブラジル代表で、現在は政治家に転身したロマーリオ(Romario)氏が8日、ちょうど1年前に味わったW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の屈辱の責任は、選手たちだけでなく、腐敗した協会にもあると主張した。

 ロマーリオ氏は、自身のフェイスブック(Facebook)でドイツに1-7の大敗を喫したブラジル大会の準決勝を指し、「ピッチ上における診断は簡単だ。パニックと、選手の対応力のなさだ」と書き込んだ。

 しかし、1994年のW杯米国大会でチームを優勝に導く活躍を見せ、スターとなったロマーリオ氏は、「戦犯」は選手たちだけではないとしている。

「ピッチ外の問題はとても根深い。CBF(ブラジルサッカー連盟)、クラブ、代理人、マーケティングビジネスとその関係者がぐるになった腐敗は、複雑に糸が絡み合ったクモの巣だ」

「奴らがよってたかってこの国のサッカーを壊した。たったひとつの目的、金もうけのために」

 地元優勝という過剰な重圧がかかるなか、屈辱的な負け方をしたドイツ戦から1年が経ち、サッカーを心から愛するブラジルサッカー界の重鎮たちは現在、代表立て直しのための方策を必死に模索している。

 代表を率いるドゥンガ(Dunga)監督は、ブラジルサッカーが「再び世界を席巻する」ようになるまでの道のりは、長く困難なものになるかもしれないとの見解を示している。

 ロマーリオ氏は、W杯での惨敗には胸が痛んだとしているが、それは「ピッチに立てないのがもどかしかったからではなく、もう何年も、ブラジルサッカーの堕落を目の当たりにできる立場にいたから」だという。

 最近では、コパ・アメリカ(2015 Copa America)で格下のパラグアイに敗れ、準々決勝で敗退したことや、国際サッカー連盟(FIFA)の汚職スキャンダルで、前CBF会長のジョゼ・マリア・マリン(Jose Maria Marin)氏が逮捕されたことをみても、問題は多岐にわたるのがわかる。

 ブラジル代表のダニエウ・アウベス(Daniel Alves)は7日、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)のジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督が、W杯前までブラジル代表を指揮することに乗り気だったことを明かした。

 しかし協会は、代表監督はブラジル人という伝統を理由に、スペイン出身のグアルディオラ監督を候補から外し、代表指揮官の座はルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督のものになったという。

 アウベスは「ペップは世界最高の指導者で、スポーツチームの指揮官としても、自分の知る限り最高の人物だ。そんな機会をふいにするなんて、チームのことなんかどうでもいいと思ってなきゃできることじゃない」とコメントしている。(c)AFP