【7月8日 AFP】著名な経済学者トマ・ピケティ(Thomas Piketty)氏やジェフリー・サックス(Jeffrey Sachs)氏らが7日、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相に対し、「これ以上の惨事を避ける」ためにギリシャの債務を減免するよう呼び掛けた。

 ピケティ氏らは、米誌「ザ・ネーション(The Nation)」のオンラインサイトに掲載されたメルケル首相宛ての公開書簡で、ギリシャは、債権団が求める財政緊縮策に既に応じており、その結果、深刻な経済不況が生じていると主張した。

 同氏らはまた、「ドイツの財務相と欧州連合(EU)側が処方した薬は患者の病気を治すどころか、出血させている」と述べた。

 さらに、ギリシャ政府に求められている改革に同国が応えるために必要なのは、債務の「大幅免除」だと主張。「今のギリシャ政府は、自身の頭に銃を向け、引き金を引けと言われている」ようなもので、「その弾丸は、欧州におけるギリシャの未来をつぶすだけではなく、希望や民主主義、繁栄の光であるユーロ圏を巻き添えにする」と主張している。

 公開書簡には、所得格差に関する著作で知られるフランスの経済学者ピケティ氏や米コロンビア大学(Columbia University)の開発経済学者サックス氏の他、米ハーバード大学(Harvard University)の政治経済学者ダニ・ロドリック(Dani Rodrik)氏、英オックスフォード大学(University of Oxford)の経済学者サイモン・レン・ルイス(Simon Wren-Lewis)氏、ドイツ元副財務相のハイナー・フラスベック(Heiner Flassbeck)氏が署名している。(c)AFP