【5月31日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長が30日、汚職スキャンダルに対するスポンサー陣の懸念を払拭(ふっしょく)するために対応していることを明かし、幹部に1000万ドルを支払うことを自身が許可していたとする疑惑を否定した。

 米当局によると、2008年にとある幹部が、FIFAの口座を通じて元副会長のジャック・ワーナー(Jack Warner)容疑者に1000万ドルを支払うことを許可したとされており、これは南アフリカからの賄賂であったとされているが、ブラッター会長はこれについて、「絶対に私ではない」と否定している。

 今回のスキャンダルでは、賄賂を受け取っていたとして7名のFIFA幹部が逮捕されており、スポンサーから怒りの声が上がっているが、ブラッター会長は、懸念を示しているスポンサーに自ら出向く意向であることを明かしている。

 クレジットカード大手のビザ(Visa)は先日、FIFAが「強い倫理綱領に基づいた組織文化の再構築」に着手しなければ、スポンサーシップを「見直す」と発表している。

 そしてブラッター会長が再選を果たした29日の会長選後には、コカ・コーラ(Coca-Cola)が「失われた信頼を取り戻すための具体的な」行動をFIFAに対して求めている。

 ブラッター会長は、記者会見で「そのような発表がされたので、スポンサー陣とはすでにコンタクトを取っている」と語った。

「書簡も交わしており、FIFAの名声を取り戻すために動いている。私は彼らを正しい状況に連れ戻せると確信しており、スポンサー組織を個人的に訪問することを計画している」

 ブラッター会長はまた、FIFAがある米国のマーケティング会社と関わっていたとする米当局の起訴内容には、「これらのことでFIFAがどのような直接的影響を受けるのかは分からない」としており、大きな関心を示していない。

 米当局は、スポーツメディア、および北中米でのマーケティング契約における賄賂として1億5000万ドル(約185億円)を支払ったとしており、これまでにサッカー関係者14人を起訴している。

 起訴状では、2008年に北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)の会長を務めたワーナー容疑者に対し、1000万ドルが賄賂として支払われたとされている。

 一連の疑惑についてブラッター会長は、「私はそれらの疑惑に足を踏み入れていない。もしそういったことが捜査の対象になっているのであれば、事態を見守ろうではないか。断じて私は関係ない」

「米国は捜査をしているが、彼らにはその権利がある。私は無関係だ。特に私個人についてはまったく関係がない」

(c)AFP