【5月28日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)幹部らが収賄の疑いで逮捕された件で、サッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏は27日、今回の逮捕を歓迎し、次はジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長の番だと警告した。

 マラドーナ氏は、27日未明にスイス・チューリヒ(Zurich)の高級ホテルで繰り広げられた、副会長2人を含むFIFA幹部7人の逮捕劇を「楽しんだ」と話した。

 7人は、合計で1億5000万ドル(約185億円)を超える収賄の疑いで、米国へ身柄を送致される見込みだが、歯に衣着せぬ物言いで知られるマラドーナ氏は、ブラッター会長も同じ運命をたどる可能性があると話した。

 マラドーナ氏は27日、ブエノスアイレス(Buenos Aires)のラジオ局ラ・レッド(La Red)に対し「気をつけろ、ブラッターは、米国へ行って釈明しなくちゃならないかもしれないぞ。米国は10年、あの男を追ってるんだ」と話した。

 一斉逮捕が行われたのは、数十億ドル規模の組織FIFAの会長選2日前の出来事だった。ブラッター会長は、この会長選で5選を狙っている。

 マラドーナ氏とブラッター会長には長い敵対の歴史があり、同氏がまだ現役選手だった1986年のW杯メキシコ大会(1986 World Cup)の際には、暑さの厳しい真昼に試合を組んだFIFAの判断に異を唱えている。

 マラドーナ氏は今回も、ブラッター会長の再選を阻むためのロビー活動を展開しており、今週はテレグラフ(The Telegraph)紙で、会長は「生涯独裁者」、FIFAは「腐敗の遊び場」と述べていた。

「ずっと前から言ってたじゃないか。みんなからは頭がおかしいと言われたけどな。今日、米連邦捜査局(FBI)は真実を明かした。これでもブラッターが勝つのか、よく見ておかなくちゃならない。米国の連中は申し分ない仕事をしたよ」

 現在54歳のマラドーナ氏は、現役当時は世界最高の選手とみなされていた人物で、4度のW杯に出場。メキシコ大会ではアルゼンチンを優勝に導いた。(c)AFP