【4月10日 AFP】イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師とハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は9日、同国の核計画をめぐり主要国との難しい協議を経てまとまった合意の枠組みについて、最終合意に署名しない可能性を示唆した上で、制裁の即時一斉解除を求める考えを示した。これにより、協議の行方に暗雲が垂れ込めている。

 イランのあらゆる問題について最終決定権を持つハメネイ師が前週まとまった合意の枠組みについてどのような反応を示すのかに注目が集まっていた。ハメネイ師はこの日、枠組みがまとまった後としては初めて枠組みに言及し、「これまでになされたことは、最終合意の締結やその内容だけでなく、協議の継続さえも保証するものではない」と述べた。イランの核開発を阻止するため合意を支持している人たちにとっては大きな痛手となった。

 同師とは別にロウハニ大統領も、最終合意の署名と同じ日に「あらゆる経済制裁が完全に解除」されるのでなければイランは署名しないと断言し、核協議にとっての打撃が重なった。

 これを受けて、協議に臨んでいる米政府は直ちに反論。米国務省のジェフ・ラスク(Jeff Rathke)報道官は「制裁は、最終的にまとめられる総合行動計画に基づく一定の約束をイランが順守していることが確認された後、段階的に解除されていくことになる」と述べ、制裁解除は合意締結後に徐々に進められると強調した。

 英外務省報道官も、「総合的な合意が結ばれ、核計画に関する約束をイランが実行していることを国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)が確認するまで制裁は残る」という見方を示し、米国に同調する姿勢を示した。(c)AFP/Cyril Julien