【4月5日 AFP】タレントぞろいのワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)、悲願のワールドシリーズ制覇を狙うシカゴ・カブス(Chicago Cubs)、成熟のシアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)の躍進がうわさされるなか、2015年の米大リーグ(MLB)は開幕に向けて秒読みに入った。

 米国を代表する娯楽で、気だるい夏に楽しむにはもってこいと言われるメジャーリーグでは、昨季は平均3時間以上に及んだ試合時間を減らすため、史上初めて時間短縮の新規則が導入される。一つが攻守交代の時間制限、もう一つがバッターボックスで時間を浪費する行為への罰金処分だ。

 この新規則で、試合自体は少し引き締まるかもしれない。しかし、ワールドシリーズ開始が10月、終了が場合によっては11月にずれ込むシーズンでは、スプリント勝負ではなく今年もマラソンと言えるだろう。

 昨シーズンは、サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)とカンザスシティ・ロイヤルズ(Kansas City Royals)が下馬評を覆してワールドシリーズまで勝ち進み、第7戦までもつれこんだ争いを制してジャイアンツがチャンピオンに輝いた。それを考えれば、今年も長いシーズンの間には、さまざまなことが起こり得るだろう。

 昨シーズンのジャイアンツは、先発左腕のマディソン・バムガーナーMadison Bumgarner)がシリーズ中に大車輪の活躍を見せ、5年間で3度目の世界制覇を達成し、29年ぶりにプレーオフに勝ち進んだロイヤルズの戴冠を阻んだ。

 しかし、2球団はワイルドカードで何とかポストシーズンに生き残ったチームで、今季も優勝争いに絡めるかは不透明だ。

 優勝候補の呼び声が高いのがナショナルズだ。ナショナルズは、スティーブン・ストラスバーグ(Stephen Strasburg)、ジョーダン・ジマーマン(Jordan Zimmermann)、ジオ・ゴンザレス(Gio Gonzalez)、ダグ・フィスター(Doug Fister)という元々強力だった先発ローテーションに、マックス・シャーザー(Max Scherzer)を加えた。

 昨年もポストシーズンで涙をのんだナショナルズだが、今年こそは前評判に違わぬ結果を残すことができるかに注目が集まる。

 ナショナルズの対抗馬としてナ・リーグ優勝を争うのは、ポストシーズンの常連セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)、資金力の豊富なロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)、若く才能のある選手の豊富なピッツバーグ・パイレーツ(Pittsburgh Pirates)あたりになるだろう。

 そして、しばらく低迷の続くカブスにも、ナ・リーグ優勝の可能性があるかもしれない。今季のカブスは、本拠地リグレー・フィールド(Wrigley Field)の改修を後押しに、1908年以来となるワールドシリーズ制覇に意欲を燃やしている。

 カブスは、メジャー有数の名将と言われるジョー・マッドン(Joe Maddon)監督を招へい。さらに先発左腕のジョン・レスター(Jon Lester)と契約を交わし、まずはポストシーズン復帰を目指す。

 カブスは、ほとんどのチームが開幕戦を戦う6日の「オープニングデー」に先立ち、5日の本拠地カージナルス戦でシーズンの開幕を迎える。