■ヤンキースにはAロッドが復帰

 ア・リーグで注目が集まるのはマリナーズだ。2001年以来となるプレーオフ、さらに史上初のワールドシリーズ制覇を狙う球団は、オフに合計5700万ドルを投じ、ボルティモア・オリオールズ(Baltimore Orioles)で昨季リーグ最多の40本塁打を放ったネルソン・クルーズ(Nelson Cruz)を獲得した。

 しかし、ア・リーグ西地区では昨季リーグ最優秀選手(MVP)を獲得したマイク・トラウト(Mike Trout)を擁するロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(Los Angeles Angels of Anaheim)が、マリナーズの前に強力なライバルとして立ちふさがるだろう。

 中地区は、各チームの力が拮抗するなかで、デトロイト・タイガース(Detroit Tigers)が頭一つ抜けている。

 東地区では、ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)がジャイアンツからパブロ・サンドバル(Pablo Sandoval)、ドジャースからハンリー・ラミレス(Hanley Ramirez)という強打者2人をフリーエージェント(FA)で獲得し、メジャー最強打線とも言われているが、それに比べると投手陣はやや心もとない。

 一方、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のファンにとっては、今年は気持ちに整理をつける1年になるかもしれない。偉大な主将のデレク・ジーター(Derek Jeter)が引退し、薬物使用で名声が地に落ちたアレックス・ロドリゲス(Alex Rodriguez)が戻ってくるからだ。

 ロドリゲスは当初、薬物使用を一貫して否定していたものの、最終的には過ちを認め、長期の出場停止を科された。そのためジーターの最後のシーズンで、ロドリゲスは1試合も出場することができなかった。

 今季のロドリゲスは、これまでの三塁ではなく一塁を守る可能性があり、ジョー・ジラルディ(Joe Girardi)監督は、オープン戦でコンバートを試している。またロドリゲスは、指名打者に入る可能性もある。

 通算本塁打でも上位に位置しているロドリゲスは、ここまで654本塁打を記録し、歴代4位のウイリー・メイズ(Willie Mays)氏まであと6本に迫っており、こちらのランキングの高みを目指す戦いも再開する。(c)AFP/Rebecca BRYAN