【2月10日 AFP】自転車ロードレースの元ツール・ド・フランス覇者で、2014年UCIロード世界選手権大会(2014 UCI Road World Championships)では男子エリート個人タイムトライアルを制したブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins)は、第113回パリ~ルーベ(113th Paris Roubaix)の最終調整と位置付けるツアー・オブ・カタール(Tour of Qatar 2015)に参戦しながら、ロードレーサーとして最後の日々を過ごしている。

 2012年のツール・ド・フランス(2012 Tour de France)で英国人初の総合王者に輝き、同年のロンドン五輪でも金メダルを獲得するなど、自転車競技を代表する選手であるウィギンスは、所属するスカイ(Sky Pro Cycling)でロードレーサーとしてのキャリアの終わりが近づいていることを受けても、郷愁の念をみせるそぶりはない。

「満足している。違うことへの挑戦に向けて良い時間を過ごしている。やり残したことはない。このチームでは多くの成功を収めてきた。頂点にも上り詰めたし、世界王者にもなったからね」と語った34歳のベテランは、今年の後半にトラック競技へ復帰することを表明している。

 英国を代表するチームで自身の地位を不動のものにしたウィギンスにとって、これまでの最大のハイライトは、2012年のツール・ド・フランスと、地元ロンドンで五輪金メダリストになったことだ。

 唯一タイトルを逃している最高峰のレースはパリ~ルーベで、4月12日に開幕する同大会では、スカイの選手として最後のレースに臨むことになる。

 ベルギー生まれのウィギンスは、AFPに対し「パリ~ルーベが最後だ。昨年は(9位で)好成績も残しているし、最も好きなレースの一つなんだ。あのレースで、ぜひとも何かを成し遂げたいが、誰もが勝ちたいと夢見ている大会だ」と話した。

 ウィギンスは同時に、愛するトラック競技に復帰することを楽しみにしていると語った。

「トラックでは、6月のアワーレコード(1時間の走行距離)と、その1年後の五輪に臨むつもりだ。トラックは好きなレースで、私が12歳の時に自転車競技を始めたきっかけなんだ。私は最初の15年間をトラックで過ごし、それからロードレースに参戦した」

 2016年のリオデジャネイロ五輪出場を目指しているウィギンスは、4つの金メダルをはじめ、これまで獲得した五輪メダルの数を増やすと同時に、アワーレコードへの挑戦も見据えている。(c)AFP/Elodie SOINARD