【1月29日 AFP】オーストラリア・シドニー(Sydney)のカフェで昨年12月15日に発生した立てこもり事件で、死亡した人質2人のうち1人は、警察官が発砲した銃弾の複数の破片が当たったことで死亡したことが、29日の検視官審問で明らかになった。

 シドニーの金融街にあるカフェで発生し、12月16日未明に現場に警官らが突入し、人質の解放までにおよそ16時間を要したこの事件では、イラン生まれのマン・ハロン・モニス(Man Haron Monis)容疑者(50)のほか、カフェの店長、トーリ・ジョンソン(Tori Johnson)さん(34)と3児の母親であるカトリーナ・ドーソン(Katrina Dawson)さん(38)の2人の人質が死亡した。

 検視官審問に協力している弁護士のジェレミー・ゴームリー(Jeremy Gormly)氏は、「ドーソンさんの遺体からは、警察が発砲した1発または複数発の銃弾が、何か硬い物に当たって跳ね飛んだ際の破片6つが見つかった」と述べた。また、ジョンソンさんについては、人質のうち数人がカフェから脱出した直後、モニス容疑者が持っていた、通常より銃身と銃床が短いソードオフ・ショットガンで後頭部を撃たれ、死亡したと説明した。

 ゴームリー氏はこのほか、現場周辺で待機していた警察の狙撃手がジョンソンさんが撃たれた様子を目撃していたこと、これを受け、警察による現場突入が指示されたことを明らかにした。警察は現場に突入する際、店内に11個の特殊閃光弾を投げ込んだほか、突入後には22発前後の銃弾を発砲した。また、容疑者は2発を撃っていた。(c)AFP/Glenda KWEK