【11月29日 AFP】仏当局と北大西洋条約機構(NATO)は28日、ロシアの軍艦4隻が同日、イギリス海峡(English Channel)に進入していたことを確認したと発表した。4隻は軍事演習を行っていたわけではなく、悪天候のため一時的に、仏北西部のセーヌ湾(Baie de la Seine)に避難していたとみられている。

 ロシアの北方艦隊(Northern Fleet)は国営ロシア通信(RIA)を通じて声明を発表、軍艦4隻は同国海軍の駆逐艦「セベロモルスク(Severomorsk)」と強襲揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー(Alexander Otrakovsky)」率いる分遣隊だったことを明らかにした。

 同艦隊の声明によると、分遣隊は英仏間の距離が最も短くなる仏パドカレー(Pas-de-Calais)沖をすでに通過しており、予定していた演習を近く行う方針。今回の軍事演習は、「対潜戦と対潜技術に関する一連の演習が目的」であり、分遣隊は嵐のため、セーヌ湾に一時避難していたという。

 一方、仏北部の海事当局のアレクシス・エデム(Alexis Edme)報道官は、これらのロシア軍艦はイギリス海峡で軍事演習をすることを目的としてはいないが、「防火訓練やその他の訓練を行っていないということを意味するものではない」と述べ、防火訓練などを行うのは軍艦では普通のことだと付け加えた。

 報道官はさらに、ロシアの軍艦がこの海域に進入することについて、「全く珍しいことではない。年に数回は姿を現している。ロシアの軍艦はイギリス海峡を南下してくる。ここを通らずには、何をするのも難しいのだろう」と述べた。(c)AFP