【11月5日 AFP】中国スーパーリーグ(1部)の広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)は5日、指揮官を退任したマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)氏の後任に、元イタリア代表主将のファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)氏が就任すると正式に発表した。

 リッピ氏は、チームがリーグ戦4連覇を飾った2日に退任を表明し、その後任にカンナバーロ氏が就くことが濃厚とみられていた。

 しかしながら、リッピ氏は記者会見で「監督」の肩書きにとどまると明かした。カンナバーロ氏は、チームの「エグゼクティブ・ヘッドコーチ」として、日々の実務の責任者になるという。

「チームを明け渡し、離れると言った私の言葉が誤ってとらえられてしまったようだ。私はまだチームの監督であり、最高技術責任者だ。ただ、毎日ピッチへ足を運ばないというだけだ」と記者陣に語り、「数日に一度」はチームの状況を確認し、試合をスタンドから見守るという。

 66歳のリッピ氏はクラブに対し、自身がイタリアで家族と過ごす時間を増やすことができると、「エグゼクティブ・ヘッドコーチ」の任命を提案していた。

「家族に何かあったときに私は何もできず、半年に一度しか(イタリアに)帰国できないのには耐えられなかった」

「それで、エグゼクティブ・ヘッドコーチを探すことをチームに提案した。そうすれば私は2か月に一度は帰国が許されるからね」

 カンナバーロ氏は、パルマ(Parma FC)やユベントス(Juventus)、レアル・マドリード(Real Madrid)で輝かしいキャリアを過ごし、2006年には世界最優秀選手を獲得すると、同年のW杯ドイツ大会(2006 World Cup)では代表主将としてイタリアの優勝に貢献した。

 現役時代はセンターバックを務めたカンナバーロ氏は、カタールのアル・アハリ(Al Ahli SC)でコーチングスタッフを務めた経験を持っている。

 しかしながら同氏は、地元イタリア・ナポリ(Naples)で約100万ユーロ(約1億4300万円)の脱税の疑いで、当局の捜査対象となっている。(c)AFP