検察がパンターニ氏の死を再捜査、謎のメモ「勝つのが怖い」
このニュースをシェア
■出場停止の裏にマフィアの陰
同年にツール・ド・フランス(Tour de France)とジロ・デ・イタリアの2冠を達成した最後の選手となったパンターニ氏は、1999年、ジロの総合2連覇目前で出場停止になった。
表向きには、パンターニ氏のヘマトクリット値(赤血球濃度)が、国際自転車競技連合(International Cycling Union、UCI)の定める50パーセントという基準値を超えたためだとされてきた。
自転車選手のドーピングとしては一般的なエリスロポエチン(Erythropoietin、EPO)を検出するための有効な検査は、当時まだなかった。それでも、UCIの規則に従い、パンターニ氏はレース出場停止処分を受けた。
検察は、1999年6月5日、頭髪をすべてそり落としたやせ形のパンターニ氏が、警察に付き添われながら大会を去ることになった背景に、イタリアのマフィアの存在があったのかを捜査している。
ガゼッタ・デロ・スポルト紙は、1999年に刑務所で服役していた人物が、ある受刑者に「パンターニに賭けてみな。レースを完走することはないよ」と教えられたという証言を掲載している。
同紙によれば、この証言は当局によって黙殺されたという。パンターニ氏のファンも、伊紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)に対し、パンターニ氏が1999年大会で優勝すれば、ブックメーカーは大損することになったと伝えていた。
「マルコがジロで優勝したら、ブックメーカーは2700億払わなきゃいけなかった」
これがどの通貨を意味しているのかは、明らかになっていない。