1シーズン目は、F1に参戦するウィリアムズ(Williams)、マクラーレン(McLaren)、ルノー(Renault)が共同制作した専用のマシンで争われ、翌シーズンからは各チームが独自のデザインを打ち出すことになる。主催者側によれば、マシンは「各チームの電力エネルギー革新のショーケース」となる。

 全10戦が行われるフォーミュラEは、北京大会後にロサンゼルス(Los Angeles)、マイアミ(Miami)、ベルリン(Berlin)、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)やF1モナコGP(Monaco Grand Prix)が行われるモンテカルロ(Monte Carlo)などの市街地コースで開催され、来年6月にロンドン(London)で最終戦が開催される。

 ドライバーは1レースで2台のマシンを使うことになる。バッテリーの交換や充電を素早く行う方法が確立されていないため、約1時間で行われるレース中、ドライバーはピットストップの間にマシンを乗り換える形を取る。

 ニコラ・プロストは自身の父親らが設立したeダムス・ルノー(e.dams Renault Formula E Team)、ブルーノ・セナはインド・ムンバイ(Mumbai)を拠点とするマヒンドラ・レーシング(Mahindra Racing Formula E Team)、ピケJr.は中国のチャイナ・レーシング(China Racing Formula E Team)からそれぞれ参戦する。

 F1ドライバーも多く参戦する中で、通算256回とF1でも史上5位の出走数を誇るヤルノ・トゥルーリ(Jarno Trulli)も選手権に臨む。

 ディカプリオは、モナコを拠点とするヴェンチュリー(Venturi Formula E Team)の4人の発起人の一人として選手権に魅力を加え、ブランソン氏は自身のチームであるヴァージン・レーシング(Virgin Racing Formula E Team)を立ち上げて、フォーミュラEにかなりの資金を投入している。

 選手権運営会社のアレハンドロ・アガグ(Alejandro Agag)CEOは、著名人の参画について「好意的な驚きだ」とコメントした。

「多くの方々は、この種のレースについて持続可能性の問題に興味を持っている」

 一方で、F1に参戦するレッドブル(Red Bull)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は、トラックを周回しながらごう音を立てるガソリン車に比べてノイズに欠けるとし、フォーミュラEは「未来ではない」と批判の声を上げている。

 これに対しアガスCEOは、「ジェットエンジン」の泣き声と例える「本当にクールな音」に多くのモータースポーツファンが、うれしい驚きをみせるだろうと語った。

「われわれは、これがF1の代わりになるものではなく、補完するものだと考えています。テクノロジーが未来に影響を与えるのです」

(c)AFP/Neil CONNOR