【9月11日 AFP】パキスタン当局は10日、同国北東部を襲った洪水の被災者が100万人以上に上ることを明らかにした。また、洪水に見舞われたカシミール(Kashmir)地方のうち隣国インドが実効支配する地域では、身動きがとれなくなった数十万人の救出活動が遅々として進まないことから、住民の間では怒りの声が高まっている。

 パキスタン国家防災管理庁(National Disaster Management AuthorityNDMA)の高官はAFPに対し、「パンジャブ(Punjab)州では少なくとも109万1807人が、パキスタンが実効支配するカシミール地方では約3万1800人が被災した」と述べた。

 数日間にわたる豪雨により発生した洪水と地滑りによって、パキスタンとインドでは合わせて450人以上が死亡。被災地では、屋根の上に取り残されたり、木にしがみついたりしている住民の救出のため、救助隊が懸命の活動を行っている。

 インドが実効支配するカシミール地方の主要都市スリナガル(Srinagar)市内では、洪水発生から数日経過しても多くの場所で住民が依然として取り残されており、州政府の対応を批判する声が住民や救助隊から上がっている。ある軍関係者は、政府関係者の姿はどこにも見当たらないと話した。

 住民らの怒りが頂点に達する中、10日には、今週初めに救助隊の隊員が怒りに駆られた住民らから暴行を受け負傷していたことが明らかになった。(c)AFP/Nasir JAFFRY