【9月8日 AFP】ウクライナ東部では6日夜から7日にかけ、2都市の周辺地域で戦闘が発生し、1人が死亡した。政府軍と親ロシア派武装勢力の間で結ばれた停戦合意は、発効から48時間もたたないうちに暗雲が立ちこめている。

 港湾都市マリウポリ(Mariupol)市の当局によると、同市東端にある政府掌握の検問所が夜間に親露派からの砲撃を受け、女性1人が死亡。住民の間にはパニックが広がった。

 またAFPの特派員によると、新露派武装勢力の主要拠点であるドネツク(Donetsk)市近郊でも砲撃が聞かれた。ウクライナ政府は、親露派の武装集団が同市の空港への攻撃を試みていると非難した。

 これら攻撃が起きた数時間前には、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が電話会談で、停戦は「おおむね守られている」との認識で一致したばかりだった。

 アナリストらによると、親露派はロシアが3月に併合したクリミア(Crimea)半島とロシア間の通路を確保するためにマリウポリ市周辺地域の奪取を狙っている可能性があり、同市の住民らはここ数日間、親露派による攻撃を恐れながら暮らしている。

 ウクライナ政府と親露派はともに、停戦合意の署名から数時間後に停戦を破ったとして互いを非難しており、ウクライナが6月に一方的に宣言しわずか数日後に崩壊した停戦と同じ結果に終わるのではとの不安が高まっている。(c)AFP/Amelie HERENSTEIN with Laetitia PERON in Donetsk