【8月28日 AFP】サッカーAFCチャンピオンズリーグ2014(AFC Champions League 2014)で準決勝に進出したウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(Western Sydney Wanderers)は、交通事故やレーザー光線など組織的な陰謀を乗り越え、前回王者・広州恒大(Guangzhou Evergrande FC)を相手に大番狂わせを演じた。

 豪各紙は28日、ワンダラーズの選手たちは、広州恒大との試合前夜にホテルのドアをノックされたり、電話を鳴らされたりして起こされたと報じている。

 こうした妨害があったにもかかわらず、大会初出場のワンダラーズはアウェーゴールで上回り、豊富な資金力で優勝候補に挙げられていた広州恒大を退け、大会に驚きをもたらした。

 豪紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によれば、ワンダラーズは試合会場の広州天河体育中心(Tianhe Stadium)に向かう途中、2つの交通事故に巻き込まれたとされている。

 同紙は、「一台の車がチーム専用バスの側面に接触し、バスは急停止を余儀なくされた。すると、20人の観光客を乗せて後方を走っていたバスが、チームのバスに追突した」と伝えている。

 さらに、「選手とチームスタッフは、バスを乗り換えなければならなかった。そして、数分後には2台の車が衝突する事故が発生し、到着をさらに遅らせてワンダラーズの動揺を誘うという組織的な陰謀があった」と続けた。

 同紙はまた、「ワンダラーズの選手は試合中に広州恒大のファンからレーザー光線を照射されたり、スタンドからはボトルが投げつけられたりした」としている。

 27日に行われた第2戦は広州恒大が2-1で勝利したものの、先週シドニー(Sydney)で行われた第1戦を1-0で先勝し、2試合合計スコアのアウェーゴールで上回ったワンダラーズが準決勝に駒を進めた。

 広州恒大のマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)監督は、第1戦の終盤に2人目の退場者が出たことに抗議してピッチに侵入し、ベンチ入り禁止処分となっていた。

 ワンダラーズの選手たちは、中国・広州(Guangzhou)の空港に到着した際にも、第1戦での出来事をふまえて地元ファンから警告を促すプラカードを掲げられている。

 そして準々決勝は、豊富な資金力を誇る広州恒大に対し、創設わずか2年目でサラリーキャップの上限が250万豪ドル(約2億4000万円)のワンダラーズが大番狂わせを演じる結果となった。

 シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)紙は、「アジアで最も裕福なクラブが、勝利を奪われ惨めに涙を流した。しかし、試合であらゆる陰謀を企てた彼らは、自ら失望する結果を招いた」と伝えている。

「広州恒大は、勝利が義務づけられたアジア王者だ。それでも、限られた予算しかなく、彼らが快進撃を始めた頃には存在していなかったチームにつまずいてしまった」

(c)AFP