【8月15日 AFP】米大リーグ機構(MLB)は14日、2015年1月にコミッショナーを退任するバド・セリグ(Bud Selig)氏の後任に、最高執行責任者(COO)のロブ・マンフレッド(Rob Manfred)氏を選出した。

 1998年から機構で幹部を務めるマンフレッド氏は、1回目の投票で、全30票のうち選出に必要な75パーセントに相当する23票に1票届かなかったものの、2回目では満票を集め、第10代コミッショナーに就任することが決まった。

 最終候補のなかには、ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)のトム・ワーナー(Tom Werner)会長も残っていた。

 候補者は13日に各球団のオーナーと会談し、14日にはチームの代表グループとの会合に臨んでいた。

 米メディアによると、MLBで事業担当副会長を務めるティム・ブロンスナン(Tim Brosnan)氏は、最終投票の前に辞退したと伝えている。

 セリグ氏は、2012年に契約を更新した際、2014年が最後の任期になると述べており、来年1月を持って20年以上にわたる長期政権から退くことになる。

 ミルウォーキー・ブルワーズ(Milwaukee Brewers)の元オーナーだった80歳のセリグ氏は、1992年に不信任を突きつけられて退陣した当時のコミッショナー、フェイ・ヴィンセント(Fay Vincent)氏の後任としてコミッショナー代行に就任した。

 セリグ氏は、1998年に正式にコミッショナーに任命されると、MLBを90億ドルのスポーツ産業に成長させた。その一方で、セリグ氏の任期中にはドーピング問題がまん延したほか、1994年には利益の分配を巡る争いで、オーナー側が強硬路線を敷いたため労使交渉が決裂し、1994年のワールドシリーズが中止になった。

 1998年にMLBの副会長に就任したマンフレッド氏は、14年間の任期で労使関係や選手問題に携わった。そして選手会とは3度の労使交渉で合意に成功し、シーズン中にストライキが決行される事態をすべて回避した。

 また、55歳のマンフレッド氏が導入した現行のMLBの薬物検査は、スポーツ界で最も厳格な政策の一つとされている。

 セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)のビル・デウィット(Bill DeWitt)球団社長は、「ロブは派手な活動をすることも、名誉を重んじることもなく、根本的な方法で、優れたスポーツとしてメジャーリーグの長い歴史と確固たる業績の構築に尽力してきた」と述べた。

「彼は優れた知性と進歩的な創造性を持ち合わせており、多岐にわたりメジャーリーグに貢献してきたことは、揺るぎない尊敬に値する。われわれオーナーは、国民的娯楽の未来を見据えるロブを心から支持する。そして、彼が1月にセリグコミッショナーの後を引き継ぐことを誇りに思う」

 マンフレッド氏は、2012年にMLBの経済とリーグ問題を担当する部門の執行役員に昇進すると、昨年にはCOOに就任した。(c)AFP