【7月22日 AFP】サッカーイングランド代表のスティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)が21日、代表引退を表明した。

 代表戦114試合に出場してチームの大黒柱となったジェラードは、主将として臨んだW杯ブラジル大会(2014 World Cup)でのグループリーグ敗退という悲惨な結果を受け、後進に道を譲った。

 イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属する34歳のジェラードは、ブラジルからの帰国後、決断を下すのに「苦悶」していたと明かした。

 イングランドサッカー協会(Football AssociationFA)のFATVに対しジェラードは、「本当に難しい決断だった。キャリアの中でも一番厳しいものだった」とコメントした。

「ブラジルから戻ってきてからこれについて苦悶していた。ここに至るまで、家族や友人、サッカー界での近しい人たちと話してきた。イングランドを代表することの一秒一秒を楽しんできたけれど、もうユニホームを着ることがないと思うと、悲しい日だ」

 ジェラードは、イングランド代表の最高のMFの一人として称賛されてきた。これまで代表通算21ゴールを決めており、その1点目は2001年9月に行われたW杯日韓大会欧州予選で5-1と勝利したドイツ戦での得点だった。

 ジェラードは、欧州チャンピオンズリーグ2014-15(UEFA Champions League 2014-15)に再び出場するリバプールのために調子とフィットネスを維持したいと考えており、それも引退の決断に関係していると明かした。

「最も重要なのは、ピッチに立ったときにすべてを出し切るために、自分の体をできる限りケアしなければならないということ。(リバプールの)ブレンダン(ロジャーズ(Brendan Rodgers)監督)は素晴らしいからね」

「リバプール・フットボール・クラブのためにすべてをささげ、高いレベルでプレーし続けるためにも、この決断は正しいと考えているし、再びアンフィールド(Anfield、リバプールの本拠地)でチャンピオンズリーグがあることも、もう一つの大きな要因だ」

 2000年のウクライナ戦で代表デビューを飾ったジェラードは、125キャップのピーター・シルトン(Peter Shilton)氏、115キャップのデビッド・ベッカム(David Beckham)氏に次ぐ代表戦出場試合数を誇る。

 これまでにW杯3度、欧州選手権(UEFA Euro)にも3度出場を飾っており、2010年以降のW杯2大会、2012年の欧州選手権(UEFA Euro 2012)など、38試合で主将を務めた。

「まず始めに、イングランド代表での旅路の間に支えてくれた家族と友人に感謝したい。そして、代表でともに過ごした監督たちやFAのスタッフ、もちろん、幸運にもともにプレーできた選手たちにも感謝する」

「サポーターたちは本当に素晴らしかった。とくにブラジルでは残念な結果だったというのに、チームを後押ししてくれたからね」

(c)AFP