■「料理をする男と運転する女は危険」

 中国政府は共産主義の原則にのっとり、公式には男女平等を宣言している。毛沢東(Mao Zedong)初代国家主席には「空の半分を支えているのは女性である」という名言がある。しかし、保守的な態度は社会に深く染み付いており、黒いスーツ姿の男性たちが占拠する中国共産党幹部や政界の上層部では、女性は珍しく、目立つ存在だ。

 大連の駐車場に関するあるネット投稿では「世界で最も危険な二つのものは、料理をする男と運転する女」と書き込まれていた。

 世界最大の自動車市場・中国で、自動車メーカー各社の広告は常に男性をターゲットにしたものだ。ショッピングモールを訪れていたある男性客は「女性は駐車の仕方を知らない」と語った。「何回か衝突しそうになったことがあるけど、相手の車を運転していたのはみんな女性だ。女性は少し運転が荒く、前しか見ていなくて、ミラーを見ていないなんてことはしょっちゅうだ」

 しかし、中国の運転水準は性別にかかわらず嘆かわしい場合が多い。国営メディアによると、2012年の交通事故による死者は6万人だった。

 2013年3月の世界保健機関(WHO)の統計によると、世界的に事故に関与する割合は女性よりも男性の方が多く、交通事故の死者全体の77%は男性となっている。(c)AFP/Sébastien BLANC