【7月8日 AFP】ブラジル警察は7日、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の観戦チケットを違法に販売する組織を主導したとみられる、国際サッカー連盟(FIFA)の公式パートナーのチケット販売会社役員を逮捕したと発表した。

 警察当局はAFPの取材に対し、11人を逮捕して組織を解体した数日前の一斉捜査に続き、公式チケット販売業者「マッチ・ホスピタリティー(Match Hospitality)」社の役員であるレイモンド・ウィーラン(Raymond Whelan)容疑者を、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の高級ホテル「コパカバーナ・パレス(Copacabana Palace)」で拘束したと明かした。

 地元メディアは、ウィーラン容疑者が64歳の英国人であると伝えており、そのホテルの部屋からは100枚ほどのW杯の試合チケットが見つかったという。

 当局はまた、スカルピング行為を行う国際犯罪組織が、2002年の日韓大会で数百万ドル相当に上る数千枚のチケットを販売していたと述べている。

 この新たなスキャンダルに襲われたFIFAは、すでに同連盟のメンバーが、2022年のW杯カタール大会(2022 World Cup)の誘致活動で支援を確保しようとするカタールのサッカー界関係者から、賄賂を受け取ったとされる疑惑の渦中にある。

 マッチ・ホスピタリティー社の株主には、FIFAのジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長の甥のフィリップ・ブラッター(Philippe Blatter)氏が代表を務めているスイスに拠点を置く国際スポーツ・マーケティング会社、インフロント・スポーツ・アンド・メディア(Infront Sports & Media)社も含まれている。

 当初、チケットの違法販売計画の首謀者と思われていたのは、週末にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)やサンパウロ(Sao Paulo)で逮捕された11人の中に含まれていたアルジェリア系フランス人のモハマドゥ・ラミーヌ・フォファナ(Mohamadou Lamine Fofana)容疑者だった。

 しかし、疑惑はW杯の公式チケット販売業者であり、スタジアムのプライベート・スイートと豪華な食事つきの高額パッケージを販売しているマッチ・ホスピタリティ社の人物に向けられた。

 ブラジル紙エスタド・ジ・サンパウロ(O Estado de Sao Paulo)は、当局がフィファナ容疑者とウィーラン容疑者の電話を傍受していたと伝えている。(c)AFP/Claire DE OLIVEIRA NETO