【6月28日 AFP】ニュージーランドで、長髪の高校生が散髪を拒んで停学処分を受け、裁判所に訴えていた問題で、判事は27日、この少年の長髪を貫く権利を認める判断を下した。

 訴えを起こしていたのは、ヘイスティングス(Hastings)のカトリック系中高一貫校、セントジョンズ・カレッジ(St John's College)に通うルーカン・バティソン(Lucan Battison)さん(16)。

 同校の校則で、髪の長さは「後ろは襟につかない、前は目に掛からない」と定められていることから、学校側がバティソンさんに巻き毛の長髪を切るよう命じた。バティソンさんが結んでおくのはどうかと提案したところ却下され、先月停学が言い渡されていた。

 審理に臨んだ弁護士は、バティソンさんを公民権運動指導者のマーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師や、女性の参政権のために闘った人々になぞらえ、彼は自らの権利のために立ち上がったのだと訴えた。

 この裁判は国内メディアで大々的に採り上げられ、ソーシャルメディア上でも熱い議論が巻き起こった。強権的な学校を非難する人もいれば、ルールには従うべきだという意見も聞かれた。

 最終的に判事はバティソンさんの立場を支持し、校則には解釈の余地が残されており、散髪を拒んだからといって停学には値しないという判断を示し、「重い懲戒処分は、真に重大な問題が起こった場合のみに適用するよう、校長らは徹底すべきだ」とした。

 学校側はこの判断について、声明で「当然ながら不満」としたものの、上訴の意向については明らかにしていない。(c)AFP