■訴訟で中国は変わるのか

 パール氏は、訴訟がこうした事態に対する最善の手段なのかどうかを疑問視している。

 同氏は、オバマ政権が徐々にジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領時代の新保守主義者らのような好戦的な側面を見せ始め、中国の若者の間での反米感情をあおっていると指摘。

 さらに、「最善策はおそらく公な対応ではなく、中国の重要な部分にサイバー攻撃を仕掛け、『もっとやってほしければ、その調子で続けるがいい』といった置き手紙を残すような、『スパイにはスパイ』という対応だ」と述べる。

 ウッドロー・ウィルソン国際学術センター(Woodrow Wilson International Center for Scholars)・キッシンジャー米中関係研究所(Kissinger Institute on China and the United States)のロバート・ダリー(Robert Daly)所長は、個人名を公表して恥をかかせる「ネーム・アンド・シェーム」戦略は、中国にメンツを失わせて逆効果となりうる上、ようやく改善してきた米中という太平洋国家間の軍事協力をも後退させる可能性があると指摘。

「中国はわれわれよりもメンツを気にし、それを守るためにより必死となる。困難で半端な長期戦よりも、2国間や多国間の協議の方がより良い結果を生む」(ダリー氏)

 だが戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International StudiesCSIS)のジェームズ・ルイス(James Lewis)氏によると、中国はこの4年間、ハッキングに関する非公開協議に応じてこなかった。しかし「中国は今回ようやく、これが対米関係にとって深刻な問題で、ただ無視することはできないことが分かったはずだ」という。(c)AFP/Shaun TANDON