【5月19日 AFP】トルコで発生した産業災害としては史上最悪の301人が死亡した炭鉱事故で、同国の検察当局は18日、3人を過失致死罪で起訴した。

 トルコの通信社ドーガン(Dogan)は、起訴されたのは炭鉱経営会社ソマ・コムール(Soma Komur)の幹部1人と、鉱山技術者2人だと報じている。

 事故の原因は当初、電気系統の故障と考えられていたが、同日記者会見した検察官はこれを否定。これまでの調査に基づく中間報告書では「空気に触れた後に温度が上がった石炭によって火災が発生した」ことが示唆されており、これによって大量の一酸化炭素(CO)が坑内に充満した可能性があると説明した。事故をめぐっては起訴された3人を含む計25人が身柄を拘束され、うち6人が釈放されたという。

 事故を受けて同国では炭鉱運営会社と政府に対する怒りが高まっているが、ソマ・コムール社はいかなる過失もなかったと主張。労働省もまた、炭鉱は6か月毎に検査を受けていたとして、責任を否定している。

 中間報告書を入手したというトルコ紙ミリエト(Milliyet)によると、調査を行った専門家らは、同炭鉱では十分な数のCO検知器が設置されていなかったり、天井に金属ではなく木材を使用したりするなど、数件の安全規定違反があったと指摘している。

 救助隊がNTVテレビに語ったところによると、事故当時、炭坑内では火災により天井が焼け落ちた後に落盤が発生した。(c)AFP