■中国との協力関係に批判も

 中国の建設会社によって全長約1300キロの鉄道改修工事が行われたベンゲラ(Benguela)州ベンゲラの鉄道協会(Railway Society)のホセ・カルロス・ゴメス(Jose Carlos Gomes)会長は「欧米諸国はわれわれへの支援に消極的だった。中国人だけが求めに応じ、全力で支援してくれた」と語った。

 しかし、中国との協力関係についてアンゴラではかなりの批判も出ている。中国の関与が至るところにみられる状況で、契約の透明性の欠如、お粗末な作業の質、無駄な建設プロジェクトなどが指摘されている。大勢の中国人労働者が流れ込んだ一方、地元の雇用や人材育成への配慮はほとんどない。

 こうした現地の不満に着目してアンゴラ市場に食い込もうとしてきたのが米国だ。今や米国は、旧宗主国のポルトガルを抜いてアンゴラにとって第2の貿易相手国になっている。ケリー米国務長官はアンゴラを滞在中に「アンゴラは著しい経済成長を続けている。農業やテクノロジー、エネルギー源の多角化、インフラ分野での協力関係の強化について協議した」と述べた。

 米国内でのシェールガス増産に伴ってアンゴラ産原油への関心が薄らいでいるため、米国がアンゴラとの通商関係の水準を維持するには、原油にとどまらない多方面での関係強化が不可欠だ。

 国際通貨基金(International Monetary FundIMF)によると、アンゴラは2014年と2015年に5%の経済成長が見込まれている。中国と米国の他にも、インドやスペイン、アフリカ諸国もアンゴラへの進出を狙っている。(c)AFP/Estelle MAUSSION