ロシア支配におびえるクリミアの同性愛者たち
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ウクライナでは、同性カップルに法的地位を与える法律は存在しないが、エレーナさんは7年間連れ添ってきたパートナーを「妻」と呼んでいる。
エレーナさんは、医師として働くパートナーと一緒に、2人が以前の結婚でもうけた10~18歳の子どもたち4人を育てている。
ショートヘアにメタルフレームのめがね、化粧はせず、ほっそりとした体つきで、柔らかな語り口のエレーナさんは、他の人と違う生き方をする権利を得るため、何年も闘ってきた。
テレビのインタビューにも応え、親戚たちや雇用主からの支援によって、ウクライナの地方当局からの圧力も乗り切ってきた。生徒たちの親からも徐々に信頼され、尊敬を集めるまでになった。
しかし、ロシアがクリミアを併合したことで、エレーナさんは再び「クローゼット」の中に閉じこもらなければならないのではないかと恐れている。
「子どもたちは、私たちの両方を母親としてみていて、両方を『お母さん』と呼んでくれる」
「子どもたちはロシアで成立した法律のことをまだ知らない。この法律をどうやって子どもたちに説明したらいいのか見当もつかない。このことを口にしてはいけないだなんて」
■「良いことなんて何も起きない」
クリミア半島で暮らす200万人余りのうち、同性愛者が何人いるかは正確には分かっていない。
エレーナさんは、人口約30万人のシンフェロポリには数百人の同性愛者がいるのではと話す。友人の中にも子持ちの同性カップルが2組いるという。