ロシアの後ろ盾を得たクリミア当局が今月初めにまず取った措置の1つは、ウクライナ語の番組を全て中止し、代わりに露テレビ局の放送を始めたことだ。

 クリミア情勢を伝えるロシアの番組は偏ったお仕着せ報道ばかりで、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領のクリミア編入提案を検討もせず安易に承認したロシア議会とまったく同様だと、アナスタシアさんは批判する。「彼らは全会一致だったのよ! そんな民主主義がどこにある? 彼らはここ(クリミア)に、人々のための国ではなく、役人のための国を造ろうとしている」

 クリミアが事実上ロシアになってしまった新たな現実は、アナスタシアさんの家族をも分断している。信じられないと頭を振りながら、アナスタシアさんはウクライナ人である自分の両親が、ロシアは生活に「安定」をもたらしてくれると言って賛成しているのだと語った。「2人は、年金が上がると言っている。レーニン像にいつまでも居てほしいのよ」 (c)AFP/Dario THUBURN