【2月25日 AFP】チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官は24日、米陸軍の兵力を8分の1以上削減し、第2次世界大戦(World War II)以前の規模に縮小する方針を発表した。

 ヘーゲル長官は国防予算案の概要を説明する中で、米国は10年以上にわたってイラクとアフガニスタンで地上戦を展開してきたが、米国防総省にはもはや「長期間大規模な安定化作戦を実施する」計画はないとして、陸軍の兵力を現在の52万人から44万~45万人に縮小することを提案した。

 ある匿名の高官がAFPに語ったところによると、提案されている陸軍兵力の13%削減は2017年までに実現する見通しだという。議会が承認すれば米陸軍は、第2次世界大戦突入後に大幅に拡大される前の1940年以来で最小の規模にまで削減されることになる。

 ヘーゲル長官は、13年間続いてきた戦時体制から脱却する転換姿勢を「完全に反映した」初めての予算案と位置付け、新たな時代へ向けて軍事費を「リセット」する時に来ているという見方を示した。

 2010年に56万6000人のピークに達した米陸軍兵力の削減は、対テロ作戦が長期化し、財政状況も厳しいなかで発表された。米軍はイラクからはすでに撤退しており、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領はアフガニスタンでの米軍の戦闘任務も今年末までに終了させると言明している。(c)AFP