■各地紛争の戦闘経験者が参加か

 米シンクタンク「民主主義防衛財団(Foundation for Defence of Democracies)」の研究者、デービッド・バーネット(David Barnett)氏は「ムスリム同胞団との関連はあってもごくわずか。それよりも気掛かりなのは「(エルサレムの支援者が)単にアルカイダに影響を受けただけではない、それ以上の存在かもしれないという感触が強まっていることだ」と述べた。

 イスラム武装組織の専門家、マチュー・ギドレ(Matthieu Guidere)氏によると「エルサレムの支援者」の初期の目標はイスラエルを攻撃し、天然ガスパイプラインを破壊してエジプトとイスラエルの協力関係を阻むことだったという。前月31日には、イスラエルの紅海沿岸のリゾート地、エイラト(Eilat)にロケット弾を発射したと犯行声明を発表した。

 ギドレ氏によれば「エルサレムの支援者」は「(モルシ前大統領が解任された)昨年7月3日に、エジプト軍は背徳者だと宣告するファトワ(宗教令)を出した。これ以降、グループの性格は、反イスラエルのイスラム武装勢力から、エジプトの治安部隊を標的とする組織へと変化していった」という。その後、9月5日のモハメド・イブラヒム(Mohammed Ibrahim)内相を狙った爆弾攻撃で犯行を認め、12月24日には自動車爆弾による自爆攻撃でカイロの警察本部を爆破し、15人の死者を出した。さらに今年に入り1月25日には、シナイ半島でミサイルによって軍用ヘリを撃墜したとの犯行声明を発表。この攻撃では兵士5人が死亡した。

 民主主義防衛財団のバーネット氏は「(攻撃の)洗練度は当初、彼らにできると思われていた度合いを越えている。そうした攻撃からうかがえるのは、グループの中に極めて経験豊富な戦闘員たちがいるのだろうということだ。何人かは実戦経験も豊富だろう」とみている。

 シナイ半島を拠点とする研究者、イスマイル・アレクサンドラニ(Ismail Alexandrani)氏は、ムバラク政権崩壊後の「エルサレムの支援者」はリビアやスーダンから武器を調達しているという。また「一部はアフガニスタンやシリア、ボスニアでの戦闘経験のある者たちだとも言えるだろう」と述べた。(c)AFP/Jay Deshmukh, Haitham el-Tabei