【2月11日 AFP】いよいよ盛り上がってきたソチ冬季五輪。記者が五輪会場で集めたさまざまなエピソードを紹介する。

◆セレブだからじゃなくて…

 アルペンスキー女子大回転に出場する、ヴァネッサ・メイ(Vanessa Mae)ことタイ代表のヴァネッサ・ワナコーン(Vanessa Vanakorn)は、選手村に宿泊していない。しかし、理由は彼女が有名でお金持ちだからではない。

 ワナコーンは、ヴァネッサ・メイとして約20年間、音楽界で活躍し、1000万枚のアルバムを売り上げた英国の有名バイオリニスト。彼女が高級ホテルに滞在している理由は、愛犬のチワワ、「マックス」と一緒にいるためだ。選手村では、ペットでも野良犬でも入ることは許されていない。

 ワナコーンは、冬季五輪に出場する夢を実現するため、父親の祖国であるタイの代表として出場資格を得た。

◆ソチ市民、バイキング流の無礼な儀式に備えよ

 ノルウェーは、冬季五輪のアイスホッケー優勝候補らをぎゃふんと言わせたいと思っている。しかし、驚かされるのはソチの市民かもしれない。

 昨年の世界選手権の前には、ノルウェーチームの新人4人が、下着姿で首都ストックホルム(Stockholm)を歩かされ、地元の人々を多いに楽しませた。

 パトリック・トールセン(Patrick Thoresen)選手によると、今年の新人も同様の儀式を通過しなければならないという。

「新人が何人かいるから、彼らに対しても何かおもしろいことを考えないと。みんなが通る道だ。無理じゃないとは思うんだけど、ここで変わったことをやる前に、警察にひとこと言っておくべきかもね。あんまり大きなニュースにはなりたくないんだ」

◆兄弟の結束

 オーストリアのアイスホッケー選手、フローリアン・イーベラー(Florian Iberer)とマティアス・イーベラー(Matthias Iberer)兄弟は、別々のチームに所属して敵として戦っているが、ソチ五輪では再びルームメートとなった。

「選択肢を与えてもらえなかった」

 部屋割りについて質問されたマティアスは、こう冗談を言った。

「あまり会う機会がないから、いいと思うよ。彼と戦う方が楽しい時もあるけど、同じチームなら毎日一緒に時間をつぶせるし、試合の時も勝つ時も一緒だから、それもいいと思う」(c)AFP