■男子SP首位の羽生「今できることをすべて出し切った」

 世界選手権3連覇のパトリック・チャン(Patrick Chan、カナダ)は、セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninov)作曲の「エレジー(Elegie)で氷上を舞ったが、着氷が乱れたことが影響して3位となり、ゲイリー・ムーア(Gary Moore)の楽曲「パリの散歩道(Parisian Walkways)」に合わせて圧倒的な滑りを披露した羽生が、金メダル有力候補に名乗りを上げた。

 それでもカナダは、ペアのメーガン・デュアメル(Meagan Duhamel)/エリック・ラドフォード(Eric Radford)組が2位に入り、合計得点で2位につけている。

 羽生は「プルシェンコは僕にとってのヒーロー、同じリンクに立てるだけで最高です。今できることをすべて出し切りました」と語った。

 カナダで羽生を指導するコーチのブライアン・オーサー(Brian Orser)氏は、今大会で初めて採用となった団体戦で羽生が良いバランスを見つけたとしている。

「ここに来て、羽生はこの演技に全力を注いだ」

「選手たちもコーチたちも、みんなおかしいと思っている。今日の午後の時点でも、どうして良いか分からなかった。頑張るなとも言えないしね」

 羽生は自身の持つ世界最高得点に近い97.98点をたたき出し、プルシェンコは2010年に出した自己ベストの91.30点をわずかに上回る91.39点を記録した。