【1月24日 AFP】米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)と同社の提携研究機関は22日、海水で育つ砂漠の植物からバイオ燃料を生成する研究に進展があったとして、この植物の試験栽培を始める方針を明らかにした。

 ボーイングなどが設立した「持続可能なバイオエネルギー研究コンソーシアム(Sustainable Bioenergy Research ConsortiumSBRC)」は、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ(Abu Dhabi)にあるマスダール科学技術研究所(Masdar Institute of Science and TechnologyMIST)と提携して、UAEなど乾燥地帯の砂地に「塩生植物」と呼ばれる耐塩水性を持つ植物を植える予定だ。栽培には魚やエビの養殖場から出る排水が用いられる。

 この植物の種には油分が多く含まれている一方で、細胞同士を結合させるリグニンという成分の含有率が非常に低く、植物全体を処理して燃料を生成するために必要なエネルギーが他の植物よりも少ないことが今回のプロジェクトで明らかになった。

 ボーイング、UAEのエティハド航空(Etihad Airways)、米ハネウェル(Honeywell)傘下のUOPが資金を出したSBRCは、ライフサイクル全体で排出される炭素量が化石燃料より50~80%少ない航空機用バイオ燃料の開発を目的にしている。