【1月29日 AFP】サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)を数か月後に控えた南米で、サッカー絡みの暴力事件が増えており、南米サッカーのイメージを傷つけている。

 ブラジルではサッカーに関連した暴行で、2012年には31人、昨年も30人が死亡した。昨年9人が死亡した隣国アルゼンチンでは、アウェーチームのサポーターがスタジアムに入場できない事態に陥った。

 ブラジルでは12月上旬、カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のアトレチコ・パラナエンセ(Atletico Paranaense)対バスコ・ダ・ガマ(CR Vasco da Gama)の試合で、同国で「トルシーダ・オルガニザーダ」と呼ばれる暴力的なサポーター集団同士の乱闘が起き、血まみれとなったメンバーの姿が生放送で映し出されて視聴者に衝撃を与えた。

 このブラジルの乱闘から数週間後、アルゼンチンでは、ニューウェルズ・オールドボーイズ(Newell's Old Boys)の「バーラ・ブラバ」──同国での暴力的なサポーター集団を指す言葉──のメンバー2人が、ライバルチームのロサリオ・セントラル(Rosario Central)のファンに射殺された。

 中内米地域ではその他、コロンビア、パラグアイ、ペルーでもサッカー絡みの死亡事件が起きており、ウルグアイ、エクアドル、チリでは負傷者や逮捕者が出ている。

 南米諸国の一部では、暴力的なサポーター集団が特定の襲撃グループを組織して犯罪に関わることもある。アルゼンチンでは、バーラ・ブラバが選挙の際の「支持基盤」とみなされ、政治家から擁護されているのも事実だ。