■700万世帯がたった一人の子どもを失う恐れ

 中国は30年以上前から、大半の親たちに対して、時に過酷な手段も使って子どもを1人だけに制限してきた。例外とされているのは、一部の地方に住む家族で最初の子が女児だった場合や、少数民族、夫婦が共に一人っ子の場合などだ。

 1970年代後期にこの制度が始まって以来、たった1人の子どもを失った家族の数は全国で約100万に上っており、今後20~30年でさらに400万~700万の家族が同様の事態に見舞われると予測されている。

 このような家族は、老後に体が弱り医療費がかさんだ時に誰も助けてくれる人がいないという将来への不安や、家族を重要視する文化の中で強い喪失感に直面することになる。

 中国は、夫と妻のどちらかが一人っ子である夫婦に第2子までの出産を認めるように一人っ子政策を緩和する方針を決めている。(c)AFP