■南極での採掘は当面禁止

 今回の発見によって「ダイヤモンド・ラッシュ」が起き、世界最後の未開の原始大陸が踏み荒らされるかどうかをめぐっては、独立した専門家らの意見は分かれている。

 1961年に調印され、1991年に環境保護に関する議定書で改正された南極保護条約では、「鉱物資源に関する活動」を明確に禁止している。

 91年の議定書の見直しは、批准後に発効してから50年後の2048年に行われる。現在の批准国は35か国。

 英南極調査所(British Antarctic SurveyBAS)の地球物理学者、ロバート・ラーター(Robert Larter)氏は、同議定書の継続は「暗黙の前提」となっていると述べている。

 同氏は英サイエンスメディアセンター(Science Media Centre)へのコメントで「何らかの改正を行うには、見直し会議で同議定書採択時の南極条約協議国の4分の3を含む調印国の大部分の合意が必要になるだろう」と語った。