【11月2日 AFP】米国がパキスタンで1日に実施した無人機攻撃で、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」の最高指導者、ハキムラ・メスード(Hakimullah Mehsud)司令官が死亡した。治安当局と反体制派情報筋が明らかにした。

 複数の治安・情報当局者によると、北ワジリスタン(North Waziristan)の都市ミランシャー(Miranshah)の北5キロのダンディ・ダルパケル(Dandey Darpakhel)村で米無人機が車両にミサイル2発を発射し、500万米ドル(約4億9000万円)の懸賞金が懸けられていたメスード司令官は、 他の3人とともに死亡した。メスード司令官は34歳だったと考えられている。

 あるタリバン幹部筋は、メスード司令官は護衛、運転手、叔父とともに殺害されたと述べた。また別のタリバン司令官は2日に葬儀が行われると語った。メスード司令官の死により、タリバン側の報復攻撃が予想され、交渉開始を目指すパキスタン政府の努力が妨げられると予測されているが、同時にパキスタンの治安にとって最大の脅威の1つであるTTPは大幅に弱体化するとみられている。

 米国は、アフガニスタン国境の部族地域を、タリバンや国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系武装勢力が欧米とアフガニスタンに対する攻撃を企てる主な活動拠点とみなしている。北ワジリスタンは部族地域の7管区のうちの1つ。(c)AFP/S.H.Khan