【10月11日 AFP】米国は9日、エジプトに対する大型兵器の供与と資金援助を停止した。流血の事態が続き、民主化の進展がみられない同国に対する強い懸念を示すのが狙いで、数か月にわたるちゅうちょの末の決定となった。

 米政府は、初めて民主的な選挙を通じて就任した大統領を解任し、樹立された軍主導のエジプトの暫定政権に対し、大型兵器の供与のほか2億6000万ドル(約254億円)の資金援助も凍結すると通達した。

 米国務省のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は声明で、暫定的な措置として、過去数十年間にわたって米国が維持してきた対エジプト政策を見直したと説明。「自由・公正な選挙を通じ民主的に選出された文民政権が樹立されるまで、新たな方針を維持する」と述べた。

 米国はこれまで長年にわたりエジプト政府を無条件に支援してきたが、今回の決定で大きく方針を転換。米政府高官らが報道陣に語ったところによると、アパッチ攻撃ヘリコプターやF16戦闘機、M1A1エイブラムス戦車の部品、ハープーンミサイルなど高額の製品の供与が停止されることとなった。凍結された軍事援助の全体の規模は明らかにされていないが、米高官らは「数億ドル(数百億円)程度」になると述べている。 (c)AFP/Jo Biddle, Daniel DE LUCE