【9月6日 AFP】エジプトの首都カイロ(Cairo)で5日、モハメド・イブラヒム(Mohammed Ibrahim)内相の車列を狙ったとみられる爆弾攻撃があった。内相にけがはなかったが、同国内務省によると警察官10人と民間人11人が負傷した。

 治安当局によると、同市ナスルシティー(Nasr City)地区にあるイブラヒム氏の自宅付近で午前10時半(日本時間同日午後5時半)ごろ、自動車爆弾が内相の車列の近くで爆発した。カイロでこのような爆弾攻撃が発生したケースは近年他に例がないという。内務省は「車に仕掛けた強力な爆弾による自爆攻撃の可能性がある」との見方を示している。

 この攻撃について、大統領府と軍は「テロ行為」だと断じた。イブラヒム内相は、事件の数時間後に国営テレビに出演し、この「卑劣な暗殺未遂」を非難。ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領解任に抗議するイスラム主義者らの座り込みデモを8月14日に強制排除し始めて以降、暴力行為への警戒を呼び掛けていたところだとして、「想定の範囲内だった」ことを明らかにした。

 一方モルシ前大統領の出身母体であるムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)が率いるイスラム主義団体の連合「反クーデター同盟(Anti-Coup Alliance)」も、ある幹部の話として「この爆弾攻撃は、実行犯が誰であれ非難されて当然」との考えを示した。

 エジプト治安当局が前大統領支持者らに対する締め付けを強める中で今回の事件が発生したことにより、同国で1990年代に多発したイスラム過激派による攻撃が再び増加する恐れもあるという懸念が広がっている。(c)AFP/Haitham EL-TABEI, Sarah BENHAIDA