【10月4日 AFP】世界的に有名な英国のストリートアーティスト、バンクシー(Banksy)が今月、米ニューヨーク(New York)で1か月間の「展覧会」を開催している。バンクシーは10月31日まで、毎日1作品を市内のどこかで製作するとしており、流行に敏感な人々などの間で話題となっている。

 英国を拠点に活動しているバンクシーは、これまでその素性が明らかになったことはない。

 彼の作品は、ステンシル(型紙)を使って製作される。皮肉混じりのユーモアや政治的なメッセージが込められた作品は広く知られるようになり、1人の反抗的なグラフィティ(落書き)アーティストは、いつしか世界的に有名な「目立ちたがらない」アートスターとなった。彼の作品は、数百~数千ドルで取引されるが、ニューヨークで開催中の「展覧会」は無料で誰でも楽しむことができる。

 期間中、作品は秘密裏に製作された後、オンラインで明らかにされる。その公開される情報を頼りに、実際に作品を見に行くこともできる。ただ短時間のうちに競合する別のストリートアーティストによって作品が塗り重ねられてしまう恐れもあり、鑑賞したい場合は現場に急行しなくてはならない。

 なお「展覧会」のタイトルは「Better Out Than In(中より外の方がいい)」だ。写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」のアカウントも用意されており、これまで既に3万人のフォロアーが付いている。ウェブサイト「banksy.co.uk」では、期間中に製作された作品の写真を見ることができる。

 3日時点での最新の作品は、消火栓におしっこをかける黒い犬のイメージとなっている。消火栓からは吹きだしが出ており「You complete me(君がいて完成だ)」と書かれている。(c)AFP/Jennie MATTHEW