内田という選手は、見た目からは想像がつかないほどに、熱い一面を持っている。

 人一倍の努力とサッカーにすべてをかける強い意志があるくせに、頑張りを見せるのがカッコ悪いと考えていて、わざと公の場ではやる気がないフリをする。アイドルのようなルックスばかりが騒がれることへの、ささやかな抵抗なのかもしれない。自分の熱い一面を隠すために、“クールな殻”を利用しているのが内田という選手だ。

 だが、いくらクールな殻でつつもうとしても、数々の大舞台と試練でつかんできた本気の熱は隠すことはできない。内からその熱が涌き出し、おそらく本人も気がつかないくらいのゆっくりとした速度で、顔が少しずつ変化し続けている。

 AFP通信に保存されている最も古い内田の写真は、2007年6月4日、南フランスで開催された21歳以下の国際大会(ツーロン国際)の日本対コートジボワール戦のときのものだ。

 このときはフェースガードをしているため表情は読み取れないが、その1ヵ月後にカナダで開催されたU20W杯の写真からは、19歳の生命力とあどけなさを同時に感じることができる。