【8月25日 AFP】インドネシア国営ガルーダ航空(Garuda Indonesia)が韓国で行った乗務員募集で、応募した女性たちが身体検査で裸同然にされ、胸部の触診を受けたと抗議している。

 韓国女性の間では、高給で国外へ旅する機会も多い旅客機の乗務員は花形職業として人気が高く、乗務員を目指す女性たちは欠員募集に備えて何年もかけて準備している。今回も18人の求人枠に数十人が殺到した。

 しかし応募した1人はAFPの取材に対し、身体検査で入れ墨や豊胸手術の有無をチェックするためとして、パンティー1枚にさせられたと訴えた。この女性によると、採用試験から1か月が経つが、採用の是非に関する連絡は一切受けていないという。

■日本でも実施? 「聞いたこともない」と航空関係者

 一方、聯合ニュース(Yonhap News)は、ガルーダ航空幹部の「胸の触診検査は、フライト中に気圧が下がった場合に健康に影響があり得るとの観点から行っている」との談話を報じた。この幹部は、客室乗務員は入れ墨が禁止されており、日本やオーストラリアでの採用でも同じ検査を行っていると話したという。

 ガルーダ航空ソウル(Seoul)支社は、抗議内容の一部を否定。検査ではブラジャーを外す必要はなかったし、触診も「乳房の上部を軽く叩いた程度」で「検査を通過した応募者たちは、恥ずかしい思いをする検査ではなかったと言っている」と、声明で反論した。入れ墨や豊胸手術に関する検査は航空業界では一般的だとも主張している。

 だが、女性権利団体などからは、不必要な上、プライバシーを侵害している検査だと非難の声が上がっている。韓国性暴力救済センターのあるスタッフは、敬虔なイスラム教国であるガルーダ航空の本国インドネシアで、同じ検査は行われるだろうかと疑問を呈した。

 また大韓航空(Korean Air)の広報担当者は「そんな検査は聞いたこともない。豊胸手術がフライトに危ないというならば、それは乗客についても同じではないか」と指摘した。(c)AFP