【5月26日 AFP】男子テニス、四大大会(グランドスラム)通算3勝を誇る39歳のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)がAFPのインタビューに応じ、「ビッグ3」と呼ばれるロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が築いた黄金時代を振り返り、この3人と一緒にプレーし、時に白星を奪えたことは「幸運」だったと述べた。

 ワウリンカは26日、自身19回目の出場となる全仏オープン(French Open 2024)のシングルス1回戦で、今夏での引退を示唆しているアンディ・マレー(Andy Murray、英国)と激突する。

 大会前の話題は、通算14回の全仏制覇を誇るナダルが今回がおそらく最後の出場になることと、グランドスラム最多24勝のジョコビッチの不調で持ち切りだが、フェデラーが初のグランドスラムタイトルを獲得した2003年以降に四大大会で3勝以上を挙げている選手は、ビッグ3の他にワウリンカとマレーの2人しかいない。

 フェデラーが2022年に引退し、ナダルも今年が現役最後のシーズンになるとみられている中、ジョコビッチは世界ランキング1位を維持しているものの、今季はここまで一つもタイトルを手にしておらず、男子テニス界は避けられない新時代に突入している。

「彼ら(ビッグ3)と一緒にプレーし、時に彼らを倒せた自分は幸運だった」とワウリンカは語る。本人が「グランドスラムで勝つにはとにかく上達するしかなかった」と当時を振り返るように四大大会3勝までは厳しい道のりで、2014年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2014)ではナダル、2015年の全仏オープンと2016年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2016)ではジョコビッチをそれぞれ決勝で倒さなくてはならなかった。

 グランドスラムの優勝回数は、先日37歳になったジョコビッチが24回、全仏期間中に38歳になるナダルが22回、41歳で引退したフェデラーが20回と、3人はオープン化以降では類を見ない圧倒的な強さと活躍の期間の長さを誇っている。

 3人の息の長さの理由についてワウリンカは、「彼らの資質であり、レベルであり、プロ意識だ。重要な場面への備え方も優れている」と話し、「10~15年間にわたり、彼らは全ての大会で準決勝や決勝まで勝ち上がった。あれは本当に見事だった」とたたえた。

 これまで無双状態だったジョコビッチは、世界1位の座を22歳のヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)に奪われる危機にさらされており、それを阻止するには全仏で準決勝まで勝ち上がることが絶対条件となっている。

 そうした中でワウリンカは、ともにすでにグランドスラムを制している世界2位のシナーと同3位のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン、21歳)には王座を引き継ぐ資質があると考えている。

「彼らはあの年齢にして成績面でも本当にすごい。彼らとの対戦は大きなチャレンジだ」と話したワウリンカ。「アルカラスと対戦したことはないが、シナーのプレーは信じられない。どちらのサイドからでも速いプレーができる」と評価し、「彼らが時代を席巻できるかどうかは、時間が教えてくれるだろう」と語った。(c)AFP