【7月15日 AFP】米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)は12日、2005年から2010年にかけて公開された米国映画で喫煙シーンが激減していることが、10代の喫煙者減少に貢献していると示唆する調査結果を発表した。

 2005年には米国でヒットを記録した映画の約3分の1にタバコが登場したが、2010年には、この年の大ヒット映画の半数を超える55%でタバコが登場する場面は全くなかったという。

 同じ期間について、実際に画面にタバコは映っていなくても吸っていることが分かる場合も含めると、タバコが登場する場面は依然として2000シーンあったが、6年前と比較すると56%減っていた。

 CDCが前年に発表した2000年から2009年までの喫煙動向の調査結果では、習慣的にタバコを吸っている米国の中高生の割合は2000年の11%から2009年には5%へ、「試したことがある」は約30%から15%に減っていた。
 
 高校生だけを見ると、習慣的に喫煙している生徒の割合は2000年には28%だったが、2009年には17%に減少。また、試したことがあるという生徒は2000年には10人中4人だったのに対し、2009年には10人に3人まで減っていた。

■ 10代の喫煙と映画のタバコシーンに関連性
 
 4つの異なる研究の分析結果が、10代喫煙者の44%が映画の喫煙シーンがきっかけでタバコを吸い始めたとまとめていることから、CDCでは、映画の中で喫煙シーンが減っていることが、中高生の喫煙者減少に一役買っているのではないかと推測している。

 米国では、これまでも複数の報告で、映画の喫煙シーン減少と10代の喫煙率低下の相関関係が指摘されてきた。このため、米保健社会福祉省は、若者を映画の喫煙シーンに触れさせない取り組みを2010年の喫煙抑制計画に本格的に取り入れている。

 米国の6大映画会社中、3社はタバコ・シーンの削減を制作方針としている。一方、CDCによると、残る大手3社と独立系の映画ではタバコが登場するシーンが10倍も多いというが、今回のCDCの研究結果は、タバコに関する方針を持たない映画会社の名前は挙げていない。(c)AFP/Karin Zeitvogel