【2月18日 AFP】神奈川県川崎市の中小企業が、自転車をこぐことで水を浄化できる浄水装置をバングラデシュで大量生産する準備を進めている。災害被災地やインフラが整っていない地方の村での活躍が期待される。

 日本ベーシック(Nippon Basic Co.)が開発した自転車搭載型緊急用浄水装置「シクロクリーン(Cycloclean)」の使い方は、簡単だ。川や池、プールなど水のあるところまで自転車をこいでいったら、ホースを垂らし、あとはペダルをこぐだけ。自転車のチェーンが荷台のボックスに収納されているポンプを駆動し、4つのフィルターで浄化しながら水をくみ上げる。1分間に6リットルの飲料水を作り出すことが可能だという。

 パンクしにくいタイヤを使っているので、どこでも安心して使える。

 勝浦雄一(Yuichi Katsuura)代表取締役によると、日本国内では2005年に1台55万円で発売、これまでに200台を販売した。主に地方自治体が納品先だが、バングラデシュ、カンボジア、中国、インドネシア、ミャンマー、フィリピンからも発注があるという。

 特にバングラデシュでは需要が拡大していることから、同社は前年バングラデシュの自転車メーカーと提携し、販売価格を抑えることも視野に現地生産を開始した。今年4月にも年間100~200台の生産体制が整うという。

 バングラデシュでは経済発展に伴い、リキシャ(人力車)の運転手が大量に職を失うと予想されるなか、勝浦社長は、この自転車を使った水ビジネスが雇用の創出にもつながると自負している。(c)AFP