【12月31日 AFP】ロシア・モスクワ(Moscow)の裁判所は30日、同国の大手石油企業だったユコス(Yukos)の元社長ミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)被告(47)に懲役14年を言い渡した。すでに脱税などの罪で7年間服役しているホドルコフスキー被告の刑期は2017年まで延長されることになった。

 ホドルコフスキー被告とプラトン・レベジェフ(Platon Lebedev)被告は2003年、マネーロンダリング(資金洗浄)と横領の容疑で逮捕され、2009年3月からその公判が行われていた。刑期が延長されたことで、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相を厳しく批判し続けているホドルコフスキー元社長の収監は続くことになる。

 裁判を傍聴したAFP記者によると、量刑が言い渡されるとホドルコフスキー被告の母親は判事に向かって「お前と子孫たちに永遠に呪いあれ!」と叫んだ。だが、両被告は冷静な様子だったという。

 被告側の弁護士は「これは判決ではなく、無法ぶりを示す一例だ」と報道陣に語り、「プーチン氏が率いる行政組織からの圧力があった」と付け加えた。

 米国務省のマーク・トナー(Mark Toner)報道官は、ホドルコフスキー被告らに対する判決について「司法制度の乱用だ」と述べ、「司法の独立がなければ、ロシア経済は低迷に陥る」と警告した。米国のほかにも、英国、ドイツ、欧州議会などが相次いで判決を批判する声明を発表している。(c)AFP/Maria Antonova

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