【9月24日 AFP】日中関係が悪化する中、中国国営新華社(Xinhua)通信は23日、中国当局が、同国河北(Hebei)省の軍事管理区域で違法にビデオ撮影していた疑いで日本人4人を取り調べていると伝えた。

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官が、日本が中国人漁船船長を逮捕、拘置している問題について日中間の対話を求める中、4人の取り調べが明らかになった。

 新華社は、「河北省の軍事管理区域に許可無く立ち入り、不法に軍事目標をビデオ録画した疑いで日本人4人を取り調べている」と述べ、中国治安当局が「法に基づいた措置を取っている」と伝えた。

 共同(Kyodo)通信は24日、在北京(Beijing)日本大使館が日本人4人の取り調べを確認したと伝えた。

 また、時事通信(Jiji Press)によると、日本の中堅ゼネコン「フジタ(Fujita)」は、社員4人が中国当局に拘束されているとの情報をつかんでいる。同社広報によると、少なくとも22日から4人と連絡が取れなくなっているという。

 共同によれば、4人は第2次世界大戦(World War II)中に日本軍が遺棄した化学兵器を処分する事業に関連して、下見に訪れていた。

 4人の取り調べにより、日中関係がさらに悪化する可能性が高いとみられている。

 東シナ海(East China Sea)の尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島)付近で起きた中国トロール漁船と海上保安庁巡視船との衝突事件で日本側がトロール漁船の船長を逮捕したことを受け、日中関係は悪化している。(c)AFP